静かな対峙

自分が役者をやっていた頃
とある演出の先生に出会った。
どこがどうダメだとか
どこがどう良いだとか
具体的な事は一切言わない

ただ、じっと見て
最後にポソッと一言いう

その一言でこちらは想像して
方向が間違っているのならやり直しをし、また次回の稽古に向かった

緊張し、少しの笑いもない稽古場で
あったし、時折逃げたくもなり、
泣きもした。
しかし公演が終わった後、
確実に自分の中に残ったものが大きかった。真剣に自分とも
演出家とも向き合えた時間。

とてもその方を信頼し尊敬していたからだ。

役者同士のダメ出しはうまくいかないと私は思う。
その人は私ではなく、私はその人でないからだ。唯一全体を見つめている
演出家のダメ出ししか私は聞かない。
上記の演出の先生の少ない発言と反応を見聞きし、逃すまいとこちらも真剣であった。
「無」の空気漂う稽古場。

書を書く時
舞台に上がる時
何かを創り出す時
この「無」というのが大事だと思う

集団でものを作る時にいつも葛藤するのがそこだ。
楽しそうな顔や雰囲気を見ると
壊すのは気が引けるのは確かだ。

だが、1役者さんの中から
沢山の可能性や引き出したいものを
見つける時、
お互いが逃げないで向き合う時間が
必要だ
静かな対峙

内輪ウケの舞台ほど
げんなりするものはなく
観客に届かなければなんの意味もない。
結局のところ、役者が物語に乗り、そこに生きて、ゴールまでの熱量や表現が
観客の心を震わせるかなのだ。
そこまで引き上げて持ってくのが
演出家の仕事だと思っている
これはもう役者さんとの信頼関係が
ベースなので
それがお互いに築けなくなったら、
最後だと思って毎回やっている



さて次回は4回目の公演。
どんな作品を作ろうか箱を含めて
ただいま、リサーチ中です。
新しい役者さんもやってきます。

それまで
日々の思う事を書きながら
構想を練りたいと思います





演劇集団め組

愛知県西三河で活動してます 演劇集団め組です。 第4回公演「新宿ナイトFEVERーっ!」 8月24日土曜日①13時②19時 知立市文化会館花しょうぶホールにて チケット 自由席 1000円 当日1200円 昭和バブル時代の新宿歌舞伎町のお話です。懐かしいDISCOsoundもお楽しみください

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